「ウサギの王」という意味を持つ「rex(レッキス)」は、ベルベットのような毛質が魅力のフランス生まれのウサギです。
日本でもレッキスの可愛さに魅了されて購入した、という人が少なくありません。
とはいえ可愛い愛兎が長生きするかどうかは飼い主がうさぎに対する正しい知識を持って接するかどうかにかかっています。
ここではレッキスの特徴や性格、寿命などについてご紹介します。
目次
レッキスの特徴
レッキスの種類
既に少し触れた通り、レッキスはフランスで野生のアナウサギが突然変異して生まれた品種で、当初ビーバーの毛皮のようなうさぎということから「ビーバーの王」を意味する「Castorex」と名付けられました。
その後「うさぎの王」を意味する「rex」に改名され現在に至ります。
当初のレッキスを更に品種改良したのが「ミニレッキス」で、その名の通り従来のレッキスの約半分ほどの大きさしかないのが特徴です。
日本では室内でも飼いやすい小型種に人気があるため「レッキス」と言うとこの「ミニレッキス」を指すこともありますが、従来のレッキスと区別するために、正しくは小型種の方を「ミニレッキス」、品種改良前の種類を「スタンダードレッキス」と呼びます。
レッキスの体重やサイズは?
具体的にスタンダードレッキスとミニレッキスの体重を比べてみると、スタンダードタイプの場合は平均3.4~4.7㎏、ミニタイプはその約半分の1.4~2㎏です。
前述の通り小柄な品種に人気のある日本では同じレッキス種でもミニレッキスの方を取り扱っているペットショップが多いですが、いかにも「ウサギ」らしいシルエットを持つ筋肉質な体形から、スタンダードレッキスの方が好き、という人もいます。
レッキスの色は数十種類!
スタンダードレッキスとミニレッキスの主な違いは大きさだけで、毛質や性格などは殆ど同じです。
ただし毛並みの色には多少違いがあり、スタンダードレッキス・ミニレッキスともに14種類もの色があると言われています。
スタンダーレッキスの場合、ブラックやキャスター、チンチラ、チョコレートやライラックなど多くのうさぎで見られる毛色のほか、リンクスやオパール、レッド、シール、ホワイトなどがその14種類のカラーです。
ミニレッキスの場合はブラック、キャスター、チンチラやチョコレートのほか、ブロークンやブルー、タートス、ヒマラヤンなどがあるのが特徴的です。
この中で人気が高いのは、やはりレッキス種の代表色ともいえるレッドやキャスターでしょう。
しかしいずれにしても両者とも「ベルベット(ビロード)のような手触り」と表現されるほど手触りが良く、いつまでも撫でていたくなるような毛質に人気があります。
レッキスの性格は温厚で人懐こい
特に見た目に筋肉質で大柄なスタンダードレッキスはワイルドな印象を与えますが、実は性格は他の品種と比べても穏やかで人懐っこく、神経質なタイプではありません。
飼い主に慣れてくると自分から撫でて欲しいと催促しにきたり、名前を呼ばれると来るようになったりします。
基本的にウサギは抱っこされるのが苦手なのですが、ことレッキス種に関しては抱っこも平気な子が多いです。
感情表現豊かな甘えん坊なので、うさぎと沢山スキンシップしたい人にとっては最高の品種と言えるかもしれません。
また賢い品種でもあり、飼い主を観察して感情や状況を読み取ることもできますし、トイレなどの躾もしやすいため比較的飼いやすいのも魅力です。
ちなみにミニレッキスはスタンダードレッキスと比べるとやや気が強めとも言われますが、基本的にはスタンダードレッキスと同じような性格をしています。
レッキスの値段はいくら?寿命は?飼い方は?
レッキスの値段
何度も触れている通り、日本のペットショップではミニレッキスの方を多く扱っているため、スタンダードレッキスを探すとなると多少困難になります。
特に犬や猫など他の動物も販売しているペットショップでは見つけにくいため、うさぎ専門店で探すことをお勧めします。
スタンダードレッキスの場合、平均価格は4~7万円。血統書付きでも3万円程度で買えるミニレッキスと比べるとやや高額になります。
また一般的なレッドやキャスター以外に好みの色がある場合には、予め伝えておいてお店に入ったなら知らせてくれるようお願いすると良いでしょう。
レッキスの寿命
レッキスを飼うにあたって最も気になるのが寿命かもしれません。
レッキスの平均寿命は他のうさぎと同様、およそ7~8年となっており、犬や猫より短いのが残念なところです。
短いと5年で死んでしまう子もいますが、これは主に病気にかかってしまうことが原因で、胃腸系の病気や感染症などに気を付けていれば平均寿命までは生きられることが殆どです。
レッキスは種類として脚に負担がかかりやすいため、足の裏の毛が抜けて潰瘍になる「ソアホック」に気を付けましょう。
またうさぎ全体がかかりやすい病気として、噛み癖などが原因で起こる「不正咬合」や毛繕いによって自分の毛を飲み込んで胃腸に溜まってしまう「毛球症」もあります。
一方、幸いにも体質的に生命力の強い子を飼い主さんが上手に飼育すれば、10年以上生きてくれることもあります。
レッキスの飼い方
レッキスに限らずうさぎは高温多湿が苦手です。
うさぎにとっての適温は15~25℃、湿度40~60%。従って地域によっては夏場はクーラーで室温調整してあげる必要があります。
比較的涼しい地域でも、ケージを日の当たらない風通しのよい場所に置き、ウサギ用の冷却マットなどを用意しておくと良いでしょう。
一方冬の寒さには比較的強いですが、寒すぎても弱ってしまいます。冬場はウサギ用の小さなヒーターなどを用意してあげましょう。
また飼育するケージは、ソアホック防止のために、足に負担のかからない床材が適しています。固めの素材を避け、床に牧草や藁などを敷いてあげると良いでしょう。
ケージ内に余裕があれば、ウサギ用トンネルや小屋などを置いてあげると喜びます。
これは先祖のアナウサギが穴を掘って土の中を寝床にしていたことからくる習性で、眠る際には特に暗くて狭い場所が安心するようです。
エサは牧草を主食とし、毎日体重の2~3%(3㎏の子なら60g程)を2回くらいに分けて与えます。
うさぎのエサと言うと野菜をイメージする人もいるかもしれませんが、野菜はあくまでおやつですので、主食の牧草が食べられなくなるほど与えるのはNGです。
レッキスは食いしん坊なので欲しがるままに与えないようにし、バランスをとることで肥満予防することも大切です。
肥満予防とストレス解消のためにも、毎日1時間ほど室内で遊ばせてあげましょう。
レッキスは甘えん坊で寂しがりやなので、一緒に遊んでくれる飼い主さんが望ましいとされています。
まとめ
触り心地抜群で人懐っこく、しかも賢くて飼いやすいレッキスは、うさぎ初心者にもお勧めの品種です。
短毛種なのでアンゴラやアメファジのように頻繁にブラッシングする必要もなく、お手入れが簡単で抜け毛が少ないのもおすすめできるポイントです。
ご飯やおやつをあげる時に必ず名前を呼ぶようにすると、名前を呼んだだけで喜んで飛んでくるようになって可愛さもひとしおです。
ただしスタンダードレッキスはミニレッキスやネザーランドドワーフのような小型種ではないので、飼育に当たっては比較的広いスペースが必要になることも覚えておきましょう。
※記載料金は全て2019年現在