うさぎの選び方

多頭飼いで仲良しの組み合わせは?うさぎの多頭飼いは顔合わせが大事?

多頭飼いで仲良しの組み合わせは?うさぎの多頭飼いは顔合わせが大事?

犬や猫などのペットでは、多頭飼いが大流行していますが、うさぎでも複数の子を一緒に育てることはもちろん可能です。

一人っ子よりも兄弟がたくさんいたほうが、お互いに仲良しになって一緒に遊んでくれることが多いですし、ペットが感じるストレスが少なくなって長生きしてくれやすいという魅力もあります。どんな点に注意をすれば、複数の子を仲良く育てられるのでしょうか?

初心者にとっては難しい?

ペットとして人間とともに生活しているウサギたちの先祖の多くは、アナウサギと呼ばれるタイプです。

このタイプは、大人になると1羽で穴を掘って巣をつくる習性があり、複数の群れで暮らす時でも、1羽のオスに複数のメスが群がるぐらいです。

この習性は、ウサギという動物は縄張り意識が強く、特にオス同士ではうまく行動生活ができないという理由があります。

そのため、複数のうさぎを多頭飼いする場合には、こうした習性には注意を払わなければいけません。

これから始めてウサギを迎え入れる人なら、最初から複数の子を迎えるよりは、最初は一人っ子でスタートして、ウサギのお世話に慣れてきたら次の子を迎える、と工夫するのがおすすめです。

最初に1羽のウサギを育てることによって、基本的な育て方とかスキンシップの取り方などを覚えることができますし、複数の子のお世話は1羽だけをお世話するよりも確実に大変です。

そのため、ある程度自分自身が慣れてから多頭飼いに挑戦したほうが、失敗し難いでしょう。

複数のウサギを同じスペースで飼育する際には、いくつかのポイントがあります。

1つ目のポイントは、性別には気を付けるという点です。オスは縄張り意識が強いため、オス同士を共同生活させるとどうしてもケンカしてしまうリスクが高くなります。

それならオスとメスが良いのでは?と考えるかもしれませんが、オスとメスだと今度は繁殖してしまいます。

実際に複数の子を失敗することなくお世話している人たちを見ると、複数のメスを飼うという方法が最も失敗しにくいです。

2つ目のポイントは、一羽飼育から多頭へ切り替えるタイミングがあります。

メス同士の場合には、特定のタイミングを待つ必要はあまりありませんが、オスの場合には、発情期だとすぐに興奮してしまうので、ケンカが絶えなくなってしまいます。

できるだけ、この発情期を避けたタイミングを狙うのが良いでしょう。

3つ目のポイントは、すでに家にいる子と迎え入れる子の年齢を考えるという点です。

人間でもそうですが、同じぐらいの年齢の子だと、お互いに腹の探り合いをする傾向にあり、マウンティング合戦になるリスクが高くなります。

それはウサギも同じで、明らかに年齢が高い子と低い子なら、お互いに立場が違うことをはっきりと認識するので、マウンティングやケンカが起こりにくくなります。

もしもまだ自宅でウサギを飼っているわけではなく、これから多頭飼いも含めて検討しているのなら、最初に迎え入れる子は年齢が高めの子を選び、後から迎え入れる子は年齢が離れた子ウサギにするなど、工夫してあげることによって失敗する確率を低く抑えることができます。

注意したい点とは?

もともと一人でいることが好きな人を、無理に他人と共同生活を強いたなら、その人は多かれ少なかれストレスを感じるでしょう。

特に、その共同生活の中でマウンティングが行われたり、ケンカが絶えないような環境なら、そのグループの下位に位置する人にとっては、耐えられないほどのストレスレベルになってしまうかもしれません。

これはウサギでも例外ではありません。

うさぎはもともと独りが好きな動物なので、無理に複数の子を迎え入れなくても、本人は寂しいとは感じないものです。

しかし、うまくすればウサギの幸福度がアップする多頭飼いをするのなら、どんな点に注意したら良いのでしょうか?

1つ目には、それぞれのストレスレベルを絶えずチェックしてあげなければいけません。

動物界では、ウサギも含めて上下関係があります。下位になった子は、残念ながらストレスが多い環境で生活することになります。

その他にも、発情期を迎えると特にオスは発情によるストレスを抱えるため、対策としては避妊手術とか去勢手術をして、ストレスレベルを軽減してあげなければいけません。

2つ目には、ウサギにやきもちを焼かせないという点があります。

それまでは一人っ子だった子は、人間からの愛情を独り占めすることができました。

しかし兄弟ができてしまうと、親の愛情を新しくやってきた新参者とシェアしなければいけません。

それが、ストレスにつながるのです。対策方法としては、最初からいた子に対しては、特に注意をして、愛情レベルが低くならないように、今まで以上にスキンシップを取ることを心がけると良いでしょう。

3つ目には、ケンカ対策があります。

メス同士ではあまりケンカすることは少ないですが、オス同士は特に注意が必要でしょう。

ケンカを放置してしまうのはNGです。

ケンカがエスカレートすると、どちらかのウサギが死んでしまうリスクもありますから、ケンカをしそうな険悪なムードになったと感じたら、すぐに別の部屋に移動させてあげましょう。

ケンカをしている場面を見たら、すぐに止めに入って別々の部屋に移動させてください。

4つ目には、ウサギ同士のネガティブなサインを見逃さないという点があります。

例えば、お互いに鼻をくっつけている場合には、意味が分からなければ可愛く見えてしまう光景ですが、実際には相手から噛みつかれないように警戒しながらお互いのニオイを嗅いでいるという行動です。

そのままケンカが始まる可能性があるので、素早く引き離し、すぐそばで様子を見守りましょう。

また、それまでは仲良しだった兄弟でも、突然仲が悪くなることがあります。

これも、決して嬉しくないサインです。
しばらく離して様子を見るなど、対策を講じることをおすすめします。

仲良しになる可能性だってある!嬉しいサイン

うさぎは、多頭飼いをするには決して理想的とは言えない動物です。

しかし、お互いに相性が良くて同じスペースで生活することにもストレスを感じなかったり、お互いに仲良しになる子ももちろんいます。

例えば、お互いにお尻のニオイを嗅ぎ合っている時には、お互いのことを知ろうと前向きに勤めているサインと考えることができます。

お尻のニオイを嗅ぐという行動は、ウサギだけではなく他の動物も行うことなのですが、お尻のニオイを嗅ぐことによってお互いの情報交換を行っているのです。

また、仲良しの子は、お互いに口の周りのニオイを嗅ぐこともあります。

この行動も、情報交換を目的としています。鼻のニオイを嗅ぐという行動だと、噛みつかれないように警戒している行動なのですが、口の周りのニオイを嗅ぐというのは、仲良しのサインという事です。

ウサギ同士が顔を見合わせて臭いをかぎ合っていると、鼻なのか口の周りなのかがはっきりと分かりにくいかもしれません。

しかし、雰囲気や表情を見れば、仲が良くて行っている行動なのか、それとも険悪な雰囲気でしている行動なのかを判別することができます。

分かりやすいサインもあります。

お互いにピッタリくっつくという行動です。

ウサギはもともと一人でも孤独を感じない習性を持っていますが、もう一つの習性として、狭い所や何かに寄り添っていることによって安心するというものがあります。

自然の中で生きているアナウサギは、大人になると一人で巣を作り、その中に納まって安心しますが、子供のウサギは生まれた時から巣の中で家族とぴったり寄り添いながら生活をしています。

そのため、他のウサギにピッタリと寄り添うことでも、安心することができるのでしょう。

同じ時間にご飯を食べたり、同じタイミングで水を飲んだりするという行動もまた、仲が良いサインの一つです。

これはウサギ同士に見られる行動であると同時に、人間に対しても見られることがあるので、とても興味深いのではないでしょうか。

例えば、人間のあなたがご飯を食べていると、自分たちもご飯を食べるなど、同じ行動をすることがあります。

これは、ウサギがあなたを信頼しているサインであると同時に、ウサギがあなたのことを大好きだというサインでもあります。

大好きな相手と同じ行動をすることは、シンクロと呼ばれていて、食事や水を飲むタイミングだけではありません。

嬉しくて飛び跳ねたり、何かに驚いてパニックになったりした時にも、同じ行動をすることがあります。

もしも兄弟全員がパニックになってしまっても、人間であるあなたが落ち着いて安心させてあげれば、心の安定を取り戻すという仕草もシンクロしてくれます。

お互いの毛づくろいをする仕草もまた、兄弟仲が良いサインです。

年齢が上の子が下の子に対して毛づくろいをしてあげるケースもあれば、お互いに毛づくろいするケースもあります。

まとめ

うさぎはもともと独りでも孤独を感じることが少ない動物です。

しかし、生まれた時から家族やグループで育った子だと、独りになることで不安を感じることもあるので、必ずしも一羽で育てることがベストというわけではありません。

複数の子を育てる際には、お互いの性別や年齢などを考慮して、できるだけ全員がストレスを感じることなく生活できる環境を作るように努力や工夫をしたいものです。

一般的にはオスよりもメスの方が集団生活に適していると言われていますし、実際に複数の兄弟を迎えることに成功しているケースでも、全員がメスの姉妹ということが多いです。

もしもケンカやマウンティングを始めた場合には、それが深刻な殺し合いに発展してしまうリスクがあるため、素早く引き離して別々の部屋に移動させてあげましょう。

ケンカのサインを見逃すことなく素早く察知することが、早期対策となります。

一方、仲が良い時にする仕草や行動などもあるので、知っておくと兄弟仲が良いか悪いかを推し量ることができます。