うさぎの悩み

うさぎの飼育でにおいの原因になるものは?適切な消臭方法をご紹介

うさぎの飼育でにおいの原因になるものは?適切な消臭方法をご紹介

室内でペットを飼育していると気になるのがニオイ。家に帰ってきたらプンと臭う場合は勿論、鼻が慣れたせいで自分は気にならなくても来客時に不快な思いをさせてしまうのでは・・・と心配になりますよね。

お部屋でウサギを飼育している人も同様、「あれ?なんだか臭い・・・」と感じたり、部屋を訪れた人に「ペット臭いね」と言われたりしたなら、何らかの対策が必要です。

うさぎのオスは臭い?原因は?

そもそも、ウサギは殆ど体臭がなく、人間の嗅覚で感じ取れるほどのニオイを発することはまずありません。

草また餌である牧草やおやつのペレットフードなども、悪臭と言うほどの臭いの元にはなりません。

従って、ウサギのせいで室内が臭う・・・という場合、それはおそらくウサギ自身の体臭ではなく、ウサギの排泄物による臭いと考えられます。

とは言え、実はウサギの糞もほとんど臭いがなく、しかも乾いてコロコロとしているため、ウサギがトイレ以外の場所でウンチをしたときには手で拾って片付けるという飼い主さんまでいるほどです。

これはウサギの主食が牧草であり、糞はその牧草を消化しきれず出てきた繊維質の塊であるため。

従って通常の糞がウサギの臭いの原因になることもありません。

では何が主な原因かと言うと、ウサギのおしっこ。
ウサギの場合糞より尿の臭いの方が強いので、トイレを覚えていないウサギが室内を自由に動き回れる環境にいれば、あちこちでおしっこをしてそれが臭いの原因になっている可能性があります。

勿論きちんとトイレでおしっこをしている子でも、飼い主が毎日トイレ掃除をしてあげなければ臭ってしまうでしょう。

あるいは、糞の中でも「盲腸便」と呼ばれるウンチは普通の糞とは異なり湿っていて強い臭いを発するため、これが原因となっている可能性もあります。

この盲腸便は深夜から早朝にかけて排便され、通常ウサギは排泄時に口を肛門につけてそのまま食べてしまいます。

これがいわゆる「食糞」で、これはウサギが必要な栄養を摂るために欠かせない習慣です。

盲腸便は牧草の中でも消化しやすい繊維質が盲腸に運ばれ、そこで腸内細菌によって発酵されてアミノ酸やビタミンBやビタミンKとなったもので、これをいったん便として排出した後再び食べることで必要な栄養素が吸収できる造りになっているのです。

このように、本来排泄と同時に食べてしまうので飼い主の目につくことはなく、臭いの元になるはずもないのですが、何らかの理由でこの盲腸便を食べ残している場合にこれがにおいの原因となっていると考えられます。

特にウサギの体から臭っているように感じる時は、この盲腸便が毛にこびりついている可能性があるでしょう。

盲腸便は普通のコロコロとした糞とは明らかに異なり、粘り気があってブドウの房状をしていますから、見れば必ずそれと分かります。

排泄物以外では、限定的ですがマーキングによるにおいが原因になっている場合もあります。

例えば大人のオスウサギであれば、自分の縄張りを主張するためにマーキングをすることがありますし、母ウサギでも顎にある臭腺を自分の子供にこすりつけてマーキングし、自分の子供かそうでないかを見分けられるようにします。

また思春期や発情期には、興奮するとアーモンドのような香ばしいニオイを発する個体もいるようです。

ただしこれらはいずれも一時的な生理現象なので、しばらくすれば臭いは治まるはずです。

うさぎの臭いと病気の関係

既に少し触れましたが、ウサギの体が臭う場合は、体臭と言うより盲腸便が毛に絡まってこびりついている可能性があります。

ではこびり付いた便を拭き取ってあげればそれで問題ないかと言うと、そうとも言い切れません。

前述の通り本来ウサギは排泄した盲腸便をその場で肛門に口を付けて食べてしまうはずで、つまり本来盲腸便が体にこびりつくようなことはないはずだからです。

盲腸便が体にこびりついているということは、食べ残した証拠。食べ残したからと言って必ずしも体に異常があるわけではありませんが、それが長期にわたるなら何らかの異常が考えられます。

例えば消化器官に問題があったりストレスが溜まっていたりしてそもそも食べる気になれない、あるいは食べたいけれど肥満で口を肛門まで近づけることができない、といった異常です。

いずれにしても盲腸便を食べずにいると牧草やペレットからは摂取できないビタミンB群が不足してしまい、赤血球のヘモグロビンや神経細胞内のタンパク質、核酸などの合成を行うことができなくなってしまいます。

そうなると人間の場合と同様、ウサギも悪性貧血や食欲不振、だるさ、神経障害などを引き起こします。

従ってウサギにとって食糞は健康維持に必要不可欠な習慣で、もし盲腸便の食べ残しをしょっちゅう見つける・・・という場合には、一度獣医さんに診てもらった方が良いでしょう。

また明らかに肥満が原因であると見て取れる場合には、餌やおやつの量や与え方を見直す必要があるでしょう。

また盲腸便でないのに糞が柔らかい、あるいは水っぽい場合は軟便や下痢であり、これらもお尻や周りの毛にこびり付きやすいのでウサギの体から臭ってくることがあります。

軟便は腸の機能が低下している兆候かもしれず、下痢となると胃腸の病気や寄生虫、ストレスによる疾患などの異常が考えられます。

あるいは見た目には普通のウンチでも盲腸便でないのに臭うなら、便に含まれる繊維質が足りない証拠であり軟便になりかけている証拠、健康とは言えない状態です。

大慌てで動物病院へ駆け込む必要はありませんが、まず食生活を見直して様子を見、改善されないようならあらためて獣医さんに相談してみましょう。

このように、糞はウサギの健康のバロメーターですから、いつも糞をチェックしておきましょう。

本来乾燥してコロコロとしているはずのウサギの糞がいつもお尻の毛に絡まっているようなら普段とは違う証拠、と覚えておきましょう。

うさぎのトイレ掃除で臭い対策!その頻度は?

このようにウサギを飼育している室内が臭うのは、主にウサギの排泄物が原因ですから、まずはウサギにトイレを覚えさせトイレ以外のところでおしっこをしないようしつけることが大切です。

ウサギが他の場所で粗相してしまったならすぐに消臭スプレー等を使って臭いを消しましょう。

これは臭い対策と言うだけでなく、ウサギがトイレを覚えるためにも大切です。

勿論トイレ掃除もこまめに行いましょう。ウサギ用の市販トイレは数多く売られていますが、丸洗いしやすいものを選ぶとトイレ掃除が億劫になりません。

トイレのトレー部分に敷くのは、ペット用トイレシートよりトイレ砂の方がお勧め。

特に木くずを再利用したウッドリター(木くずを砂のようにしたトイレ砂)や活性炭入りのトイレ砂は、アンモニアなどの強い悪臭をしっかり消臭してくれます。

あるいはトイレシートの高い吸収力とトイレ砂の消臭力の両方を利用すべく、ダブル使いしているという飼い主さんもいます。

いずれにしてもトイレ砂やトイレシートは毎日交換するようにしましょう。

トイレだけでなく、ケージ全体もこまめに掃除します。

ケージには床にすのこや金網が敷いてありますが、その下に落ちたエサや排泄物も臭いの原因になりますから、すのこの下にもトイレ砂やペットシーツを強いておき、出来れば毎日取り換えると良いでしょう。

ケージはサッと水拭きする程度で良いですが、この時ペット用の消臭スプレーを使うと臭い対策になります。たまにケージも丸洗いする日を作るようにすると更に清潔です。

ウサギが部屋んぽする場所も、そのたびにきちんと掃除しておきましょう。

部屋んぽの範囲内にあるラグやカーペットは、汚れがしみ込まない撥水加工のものや汚れた部分だけを外して洗えるジョイントマットなどにしておくと良いですね。カーテンも消臭カーテンにしておくと臭いが染みつきません。

床や壁などにウサギのおしっこがかかっていると、尿石がこびりついて臭いの元になりますから、しっかり落とせるクエン酸で拭き取るようにしましょう。

100均などでクエン酸を購入し、水100mlに対しクエン酸小さじ1~2を混ぜて霧吹きに入れます。

これをシュッシュッと吹きかけてしばらく待つと汚れが浮き上がってくるので濡れ雑巾で拭き取りましょう。

この時重曹水を含ませた雑巾を使うと更に消臭効果がアップします。

これでかなり室内の臭いは消えたはずですが、どうしても気になる場合は部屋にペット用消臭剤や炭、空気清浄機などを置くと良いでしょう。

またウサギのお尻などにウンチがこびりついて臭っている場合には、勿論キレイに拭き取ってあげる必要がありますが、よっぽどしつこい汚れでない限りお風呂に入れることは控えてください。

うさぎは汗をかきませんし、自分で毛づくろいしているため本来お風呂に入る必要はありません。

それどころか水に濡れること自体が大きなストレスになります。

普段の汚れを取る程度ならブラッシングで十分ですし、気になる汚れは温かい濡れタオルで拭き取るかドライシャンプー、ウサギ用の消臭スプレーを使うという方法でもキレイにすることができます。

これらの方法でも取れない頑固な汚れの場合はお風呂と言う最終手段をとることができますが、この際も人間のように頭からシャワーやお湯を浴びせたり、ましてお湯をはった盥の中にザブンと浸からせたりするのは厳禁。

特に耳を濡らさないよう注意しましょう。
まずは洗面器などに40℃くらいのお湯を溜め、汚れている部分だけお湯に浸すか手でお湯を注いでウサギ用シャンプーで優しくマッサージするように洗います。最初に濡らした時と同じ要領でシャンプーを洗い流し、乾いたタオルでしっかり水気を拭き取ります。

ウサギは湿気に弱くこれが元で弱ってしまうことがあるので、濡らした後はしっかりドライするのがポイントです。

タオルドライした後ドライヤーで皮膚に近いところまでしっかり乾かしてください。

まとめ

ウサギは犬などとは違い室内飼いで十分なので、一人暮らしでも飼いやすくワンルームマンションで飼っているという人もいることでしょう。

それだけに、ニオイは部屋にこもりがち。

急なお客様が来ても大丈夫なように、しっかり臭い対策をしておきましょう。

何より体臭の少ないはずのウサギから臭いがする場合、何らかの体調不良も疑えます。

「最近になって臭うようになってきた・・・」という場合には特に注意してくださいね。