草食動物のうさぎは、草や果物、野菜であればなんでも食べてしまう動物です。
特に頬に入れ咀嚼している姿は非常に愛らしく、ご飯やおやつをたくさんあげたいと思っている人は少なくありません。
ただ、うさぎは自分で「食べていいもの」「食べてはいけないもの」を判断しているわけではなく、その好奇心からなんでも口に入れ食べてしまう習性を持って食事をしてしまいます。
そのため、食べてはいけないものは何か、飼い主が判断し与えてしまわないよう注意しながらうさぎの食生活を管理してあげましょう。
目次
うさぎが食べてはいけない野菜
それでは、具体的にどのような食べ物がどんな理由で食べてはいけないのかを紹介していきます。まずは絶対に与えてはいけない野菜についてです。
じゃがいも
まず、うさぎにあげてはいけないものに「炭水化物」が挙げられます。
特に芋類に含まれるでんぷんはNGとされています。
というのも、うさぎにはでんぷんを始めとした炭水化物を消化する機能を備えていないため、食べてしまうと胃腸障害を起こす危険性を持っているからです。
最悪の場合、「腸毒素血症」という病気を引き起こし死に至ってしまう可能性があるので炭水化物は一切与えず誤食にも注意しておきましょう。
さらにじゃがいもの場合、でんぷんが多く含まれる実はもちろん、皮や芽はソラニンという成分が有毒となるためいっそう注意するようにしましょう。「皮だけなら大丈夫」という誤った判断をしないようにしてください。
ネギ類・香辛料
次に、うさぎにはネギ類(長ネギやたまねぎ)なども与えないよう注意しましょう。
犬や猫にネギを与えてはいけないのと同じ理由で、赤血球が破壊され血管障害を起こしてしまいます。
人間にとっては栄養価が高く推奨される食べ物であるネギ類ですが、うさぎにとっては有害です。
みじん切りなどをした際に落ちてしまった欠片を拾い食いしてしまう可能性もありますので、調理の際は十分気を付けるようにしてください。
小さな欠片でも、体格が小さなうさぎにとっては大きな脅威になりえることを押さえておきましょう。
また、にんにくや生姜、わさび、トウガラシなどの香辛料もうさぎにとっては有害です。
下痢を引き起こし、脱水や胃腸の機能障害を引き起こす可能性がありますので注意してください。
アボカド
アボカドに含まれる「ペルシン」という成分は、うさぎにとって有害のため食べさせてはいけません。
食べてしまったときの症状として、下痢や嘔吐、呼吸困難、血液貯留による心臓不整脈、顎下浮腫を引き起こすことが分かっています。
野菜だと安心してついあげてしまう人がいるかもしれませんが、うさぎには決して与えないでください。
ペルシン自体は実の部分だけではなく葉や樹皮に多く含まれますので、人間が食べずに捨てた部分を拾い食いなどしないよう注意もしてあげてください。
食べてはいけないおやつ
次に、食べてはいけないおやつを紹介します。
人が気軽に食べられるものなのでつい与えたくなりますが、うさぎにとっては有害なので注意しましょう。
柑橘類
柑橘類のフルーツは、うさぎにとって血液障害を起こす可能性があることが指摘されています。
また消化自体に向いていないので、下痢を引き起こしてしまう子も多くいます。
与える場合、農薬やワックスを十分に取り除いた皮の部分か、薄皮を剥いた実の部分を少量与えるだけにしましょう。
どちらにせよ積極的に与えたくない食べ物であるということを押さえておいてください。
みかんなどはテーブルの上などに置きっぱなしで放置している家庭も多いかと思いますが、うさぎが誤って食べてしまわないよう気を付けてください。
「欲しがっていたから」という理由でお子さんがうさぎに与えてしまう事故も珍しくありませんので、小さなお子さんのいる家庭などではあげてはいけない食べ物としてしっかり教えてあげるなど対策を施すようにしましょう。
チョコレート
人間用のお菓子全般が糖分過多などの理由によりうさぎに与えてはいけませんが、特にチョコレートは「テオブロミン」といううさぎにとって有毒な成分が含まれているので食べてしまわないように注意しましょう。
摂取してしまった場合、下痢や嘔吐だけでなくてんかんのような発作を引き起こすこともあります。死に至ることもありますので、絶対に食べてしまわないよう十分に注意してあげてください。
食べてはいけない木や野草
次に紹介するのは、食べてはいけない木や野草です。野草を与える際に必要な注意事項も紹介します。
針葉樹、アロエ
アロエは中毒性があるため、食べてしまうと下痢や嘔吐の原因となってしまいます。
食欲不振や胃腸障害に繋がり、最悪の場合死に至ってしまいますので、同じ部屋で育成しているという場合は必ずうさぎの届かない場所に移動するよう対処をしてください。
また、杉や松などの針葉樹に含まれる芳香成分のフェノールが肝臓に機能障害をもたらすことが分かっています。
少量かじったり匂いを嗅いだ程度では症状は出ませんが、常に針葉樹の芳香を感じる環境にいると肝臓を傷めてしまいます。
盆栽などを同じ空間に置かない・芳香剤に針葉樹の香りが用いられているものを使わないなどの工夫が必要になります。
クローバー
うさぎは野草も喜んで食べる傾向がありますが、中には十分注意して与えないといけないものもあります。
その一つが多くの人にも馴染みがあるクローバーです。摘んだばかりの新鮮なものであれば問題ありませんが、クローバーは傷んだり組織が傷付くと猛毒である青酸を合成する植物です。
またカロリーが高く肥満の原因になってしまうことも注意すべきポイントです。
消化しづらいという子もいますので、積極的に与えるのは避けた方がいいでしょう。
そのほか、クローバーを始めとする野草を与える場合、犬や猫の糞尿、防虫剤などが付着している可能性が高いという点でも注意しないといけません。
摘んだものをそのままうさぎに与えるのではなく、しっかり水洗いし糞尿や薬剤などを落としてから与えるようにしましょう。
またこの水洗いをした際、傷んでしまい誘導物質を合成してしまう可能性があるのでやはりクローバーは与えるのを避けるのが無難です。
アサガオなど
ヨモギやシロツメクサ、タンポポなど、うさぎにあげてもいい野草や花は多くありますが与えてはいけない野草、草花ももちろん多くあります。
一例ですが、アサガオやチューリップ、紫陽花、ヒガンバナなどはうさぎにとって毒性を持つ花になります。
野草としてだけでなく、うさぎのいる室内に飾るのも控えましょう。
そのほか、モロヘイヤ、ワラビ、どんぐりなども与えてはいけない草食物です。
特にどんぐりはリスなどが美味しそうに食べるイメージからうさぎに与えてしまう子がいますので、よく注意をしてあげてください。
食べてはいけないものを食べてしまった場合
食べてはいけないものを食べてしまったとき、すぐに症状が出るわけではありません。
嘔吐や下痢が見られないから、と放っておくと早急な処置ができずのちのち重症になってしまう可能性が高くなります。
症状が出てしまってからではなく、食べてしまったと判明した時点でかかりつけの医師に相談するようにしましょう。
病院に向かうのが難しい場合、電話で問い合わせをしてください。
症状が出てしまっている、大量に食べてしまったという場合はなるべく直接病院に出向き診察してもらい、対処方法を確認しましょう。
うさぎは犬や猫と異なり食べたものを嘔吐するのがとても難しい動物です。
何より「食べてしまわないように」という予防に力を入れるようにしてください。
にんじんも注意が必要
うさぎと言えばにんじんというイメージを抱いている人が多いほど、うさぎにとってポピュラーな食べ物がにんじんです。
もちろん与えても問題はありませんが、実はにんじんの実の部分は栄養価が高くうさぎにとってはハイカロリーな食べ物なんです。
そのため、おやつとして与える際は薄くスライスしたものを2~3枚与えるようにしましょう。
それ以上になると肥満の原因となるため、食べてはいけないものにカウントされてしまいます。
同様に果物は糖分が多く肥満や虫歯の原因になってしまうため、与えるのは適量のみにしておきましょう。
注意が必要な野菜
少量食べる分には問題なかったり栄養不足を補うためにおやつとして与えることが推奨されている野菜・果物が多くありますが、中には与える際に注意しないといけない食べ物もあります。
あげてもいい食べ物ですが、場合によっては食べてはいけないものとして扱われることがあるため、健康状態によって注意をするようにしましょう。
まずほうれん草ですが、この野菜に含まれる「シュウ酸」という成分はうさぎの尿路結石の原因となってしまう成分のため、生のまま与えるのは避けるようにしましょう。
ほうれん草を与える場合、茹でてアクを取ってから常温になったものを与えましょう。
ただ、やはりリスクが高い野菜ですので、ほうれん草で採らせたい栄養がある場合はほかの野菜で補った方がいいかもしれません。
そのほか、パセリも小松菜もうさぎにあげるのに推奨されている野菜ですが、カルシウムの含有率が高いという点に注意しないといけません。
骨や歯を作るなど、カルシウムはうさぎが健康に暮らすために欠かせない栄養素ですが、摂りすぎてしまうと尿結石ができてしまいます。
うさぎの栄養のことを考えると「全く与えない」ということも避けたい野菜なので、与える際はしっかり体重に対し適正量を与えるよう注意しましょう。
まとめ
以上がうさぎの食べてはいけない食べ物です。
ここで紹介した食べ物は食べてはいけない食べ物の一部なので、「紹介されていないからあげても大丈夫」というわけではないので注意してください。
うさぎ用の食べ物以外を与えるときは、必ずその食べ物が与えてもいいかしっかり調べてから与えるようにしましょう。