体重が1キロ程度と小柄なボディがとってもかわいいネザーランドドワーフは、ペットのウサギとしては人気ナンバーワンと言っても過言ではありません。
しもぶくれの顔や短めの耳が特徴的で、童話などのイラストとしても良く活用されています。
見た目がとってもかわいいこの兎種は、実際にペットとして飼育することは大変なのでしょうか?
ここでは、気を付けたい点や注意点をご紹介します。
ネザーランドドワーフの飼育は大変なの?
もともとヨーロッパのアナウサギをルーツとするネザーランドドワーフは、現在でもアナウサギととても良く似た生態や習慣を持っています。
アナウサギは地面に穴を掘って巣をつくるという習性があり、穴を掘ることができない環境だとストレスをためてしまう傾向にあります。
自然の中で生活しているアナウサギなら、場所を変えて惚れる場所を見つけることはできますが、ペットとして家庭の中で飼われている子だと、掘りたくても掘ることはできません。
それでも掘りたい習性があるため、カーペットやフローリングを掘って床に傷をつけてしまうこともあります。
その他にも、アナウサギは寒い季節になると樹皮を齧る習性があるため、柱や壁、家具などを齧ってしまう子もいます。
そのため、家の中や家具などに傷がつくと困るという家庭では、このタイプの兎を飼うことは難しいかもしれません。
アナウサギにはまた、マーキングという習性もあります。これはウサギ同士の縄張り主張のサインなのですが、いくら自然の摂理とはいえ、家の中のあちこちでマーキングされてしまうと、困ります。
男の子と女の子とでは、男の子の方がマーキングを多くする傾向にあるため、ペットとして迎えるならマーキング軽減という意味で男の子ではなくて女の子を選ぶという方法もアリでしょう。
この兎種に限らず、ペットを飼う際にはこうした種別ごとの特徴や傾向を良く理解して納得した上で飼育することが必要です。
理解しないまま、ただ可愛いという理由だけで迎えてしまうと、生活を始めてから柱や床を傷つけらたりしてビックリするでしょう。
また、大切な家具を齧ったり、また絨毯にマーキングしたりといった行動に対して、イライラが募ってしまうかもしれません。そうした人間のイライラはもちろんウサギにも伝わります。
その結果、ウサギは飼い主のことを警戒しますし、ストレスを募らせて寿命を縮める結果となってしまうのです。それでは大変です。
ペットの中には人間のライフスタイルに合わせてしつけやすい種類もいますが、アナウサギという種類は、人間のルールやスタイルに合わせて生活をさせるという点では、飼うことが難しい兎種かもしれません。
こうしたウサギの行動は自然なものなので、しつけることは簡単ではないでしょう。
そのため、ウサギをペットとして迎える場合には、ウサギが習性による行動をしてもイライラしたり怒らなくても済むような部屋作りを心がけることをおすすめします。
どんな食事を与えたら良い?
ネザーランドドワーフの寿命は、4年~5年程度が一般的です。
しかし近年ではフードが発達していて、兎種ごとに健康を考えた栄養成分がギュッと凝縮されたものがたくさん販売されています。
それに、医療なども発達しているので、10年以上長生きする子もたくさんいます。
少しでも大切なうさぎに長生きしてもらうためには、毎日のフードについても、気を遣いたいものです。
ペットショップなどでフードを購入する際には、ウサギフードとしてザックリとした分類分けとなっているタイプよりも、兎種ごとに分類されているようなフードの方がおすすめです。
ウサギは種類によってかかりやすい病気が異なるため、フードを調整してあげることによって病気にかかりにくい体調作りができるでしょう。
それに、ウサギと言っても種類によって体の大きさも異なるため、体重が1キロぐらいしかない小柄なネザーランドドワーフには、粒が小さめのフードの方が食べやすいのでおすすめです。
より自然に近い形で食事を与えたいという人は、ウサギが主食としているチモシーがおすすめです。
ウサギを多く取り扱っているペットショップなどに行くと販売されていることはありますが、見つけられないことも多いので注意しましょう。
チモシーとは牧草の種類で、繊維質が豊富に入っているのが特徴です。
ウサギにとっては噛み応えがある食感で、不正咬合の予防策にもなります。
もしも足を運びやすいペットショップなどで購入できるなら、ぜひ検討したいフードではないでしょうか。
パパイヤもおすすめです。この兎種はパパイヤが大好きなのですが、パパイヤにはウサギの健康をサポートするパパイヤ酵素がたっぷりと含まれています。
パパイヤ酵素は、胃の中でタンパク質を分解してくれる働きがあるので、毛が生え変わる時期のウサギにとっては球毛症を予防する効果が期待できます。
もしも新鮮なパパイヤが手に入るのなら、食べやすい大きさにカットして与えても良いですし、ペットショップなどでは毛玉ケアができるおやつなどとして販売されていることも多いので、そうした商品を利用するのもおすすめです。
ちなみに、パパイヤはウサギの大好物なので、ケージの中に誘導したい時などに使うという方法もアリです。
うまく飼育するために気を付けたいポイントとは?
ネザーランドドワーフを上手く飼育するためには、まずその子の習性や特徴、癖などを良く理解した上で、共存できるための工夫をすることが必要不可欠です。
ウサギの習性を理解しないまま飼育しても大変ですし、どうしてそのような行動をするのかが理解できないでしょう。
そうすると、人間もウサギも共にストレスを感じてしまいます。うまく飼育するためには、具体的にどんなポイントに気を付けたら良いのでしょうか?
1つ目のポイントは、ペットショップでどの子を迎えるかを決める際に、できるだけ健康状態をしっかりと見極めるという点があります。
もちろん、見た目では分からない病気を持っている可能性はありますが、できる範囲で気を付けたいものです。
例えば、ペットショップによっては多くのウサギが一つのケージの中で飼育されていることがありますが、これはあまりおすすめではありません。
その理由は、もしもケージの中の誰かが病気を持っていると、ケージ内で感染が広がるリスクがあるからです。
もしも引き取る前に健康診断をしてくれるサービスがあるなら、ぜひ利用して健康な子を迎えるようにしたいものです。
2つ目のポイントは、飼育する環境の温度管理や湿度管理を適切に行うという点があります。
基本的には人間が生活する適温ぐらいでOKなのですが、ウサギは気温が高すぎたり寒すぎたりすると病気になるリスクが高くなるので注意しましょう。
ネザーランドドワーフはもともとヨーロッパを起源としているため、この兎種が快適に生活できる温度は20℃~25℃程度と言われています。
そのため、夏の暑い時にはウサギのために昼間はエアコンを使い、ウサギの熱中症を予防してあげましょう。
また、天然石やアルミなどで作られているシートなどを使ってウサギが涼める場所を作りましょう。
トンネルなどのおもちゃを陶器にするなどして、ウサギが暑いなと感じたら涼めるようなスポットを作ってあげるのもおすすめです。湿度管理ですが、湿度は50%程度がおすすめです。
室内が乾燥するなと感じたら、加湿器を置いたり、濡れたタオルなどを使って湿度アップに努めてあげてください。
3つ目のポイントは、ウサギを毎日たっぷり遊ばせてあげるという点があります。
人間でも他の動物でもそうですが、適度なエクササイズは健康にとっても精神面にとっても必要不可欠です。
ウサギも例外ではありません。ネザーランドドワーフは体が小さいので、屋外へ散歩に連れて行く必要はありませんが、1日何回かはケージから出してあげて、一緒に遊んだり自由に飛び回れる時間を作ってあげることをおすすめします。
室内で一緒に遊んだり自由にさせる際には、危険なものをうっかり齧ってしまわないように、電気のコードなどはきちんと片付けなければいけません。
毒のある観葉植物などもウサギが届かない場所へ移動しておきましょう。
部屋の安全をウサギの目線で確認し、安全になってから部屋に出してあげてください。
4つ目のポイントは、ウサギとコミュニケーションをとるという点があります。
犬を飼う時のようにお座りとかお手などを教えるということではありません。
ウサギの仕草の意味を理解すると、ウサギの行動を見て気持ちを把握できるようになります。
これが、コミュニケーションです。
ウサギは人間とコミュニケーションをとることはそれほど得意ではありません。
しかし、ボディランゲージが得意で、自分の気持ちがボディランゲージとなって表れやすいという特徴があります。
例えば、ピョンピョンをそこらじゅうを飛び跳ねる時には嬉しい気持ちの表れですし、カリカリと歯ぎしりするのはリラックスしている状態の表れです。
歯ぎしりするというと、人間にとってはストレスを感じているのかなと心配したくなりますが、ウサギの場合にはストレスではなくてリラックスのサインなのです。
このように意味が分かれば、納得できたり嬉しくなったりする機会も増えるのではないでしょうか。
それでは、ウサギの機嫌がイマイチな時には、どのような仕草になるのでしょうか?
気を付けておきたい仕草には、後ろ足で地面を強くキックするとか、ずっと毛づくろいをしているなどの仕草があります。
これらは、ウサギが決してハッピーなわけではなく、ご機嫌斜めだったりストレスを感じていたりする時に行うものなので、できるだけ早くストレスの原因を取り除いてあげてください。
まとめ
小さくて可愛いネザーランドドワーフは、ペットとして人気ナンバーワンの兎種です。
飼育することは決して簡単ではありませんが、習性を理解して正しく対処をすれば、大変過ぎて無理ということはないでしょう。
ウサギのストレスを取り除くことを意識して育てれば、寿命である4年~5年を大きく超えて10年以上長生きしてくれる子もいます。