うさぎと言われると、まず連想するのは特徴的な長い耳ではないでしょうか。
ピンと伸びた耳を持つ種類のうさぎが多いですが、中には「ロップイヤー」という長い耳をたらんと垂らした愛らしい種類のうさぎもいます。
ペットとして飼われるうさぎの中でも、日本ではかなり人気の高い品種です。
では、そんなロップイヤーの価格や性格はどんな特徴を持っているのでしょうか?
体重なども種類別に紹介していきます。
ロップイヤーの種類と特徴
現在、ロップイヤーは全部で6種類とされています。共通する特徴は前述した「たらんと垂らした耳」ですが、それ以外の体長や体重などは種類ごとに異なってきます。
紹介する1種類目は、原種にあたる「イングリッシュロップイヤー」です。
イギリスが原産のうさぎで、ペット用に改良された世界初のうさぎとも言われています。
大きさは平均35~45cm、体重は平均5kgです。もちろん、これより大きくなるイングリッシュロップイヤーもいます。
長いだけでなく左右の横幅も広い耳が特徴的で、とにかく「耳が大きい」という印象を持たれやすいうさぎです。
次に「ホーランドロップイヤー」を紹介します。
オランダが原産のうさぎで、ロップイヤーの中では最小種とされています。
平均体重1.5kg~2kgと小柄な身体を持っているだけでなく、穏やかな性格の子が多いため、うさぎの飼育初心者におすすめされやすいうさぎです。
その愛らしい外見と性格から、セラピーアニマルとして活躍することも多くあります。
3種類目は「アメリカンファジーロップイヤー」です。アメリカが原産のうさぎで、「アメファジ」という愛称を持っています。
ホーランドロップイヤーの次に人気の種類と言われており、毛色に幅広いバリエーションを持っているのが特徴です。
4種類目に紹介するのは「ライオンヘッドロップイヤー」です。
ベルギー原産のうさぎで、名前の通りライオンのたてがみのような毛をしているのが特徴です。
長毛種と短毛種がいるほか、ドワーフ系の立て耳とロップイヤー系のたれ耳に種類が分かれるので、ショップで購入する際はしっかり確認をしましょう。
次に紹介する5種類目のロップイヤーは「フレンチロップイヤー」です。
ロップイヤーの中でも一番大きな体格を持つ種類のうさぎで、平均体重は5kgと言われていますが中には10kg近くの大きさになる子もいます。
小さいうさぎが飼いたいという人には向かない種類ですが、中型犬くらいの大きさになるのを期待している人には最もおすすめです。
最後に紹介するのは「ヴェルベッティンロップイヤー」です。
アメリカが原産で、近年生まれた品種です。
ベルベットのような手触りと芸を覚える子がいるほど賢いのが特徴で、ペットショップでもほとんど見かけないほど珍しく人気が高い種類となっています。
ロップイヤーの色は何種類?
ロップイヤーの毛色は多様で、何種類と言い切るのは難しいのが現状です。
ただ、毛色の付き方はいくつかパターン化されていますのでそれを紹介したいと思います。
まず「セルフ」または「ソリッド」と呼ばれる毛色のパターンです。
毛色が1色のみで、ブラックやブラックが薄まった印象のブルー、濃い茶色であるチョコレートカラーやチョコレートカラーが薄まったライラック、ホワイトカラーの子がよく見られます。
また、ホワイトカラーの子の場合はピンクやレッド、ブルーなど瞳の色で価値が変わってくるとも言われています。
そのため、ホワイトカラーの子が欲しいと思った場合は瞳のカラーにも注目するようにしましょう。
次に「シェイデッド」と呼ばれる毛色パターンですが、これはしっぽや背中、脚、耳や鼻先のカラーが濃くお腹に向かってグラデーションになっているのが特徴です。
シャム猫とよく似た毛色のパターンであることも特徴的です。
子うさぎのときは単色と思われていても、大きくなるにつれ身体の一部の毛がどんどん濃くなっていきシェイデッドであることが分かったということも珍しくありません。
主な毛色は薄い茶色のようなパール、先端がブラックのフロステッドパールブラック、先端がブルーのフロステッドパールブルーなどです。
グラデーションの組み合わせによってカラーの種類もかなり豊富にあるのがシェイデッドの特徴と言えます。
最後に「ブロークン」と呼ばれる毛色パターンですが、これは白をベースに身体の様々なところにぶちが入る毛色パターンのことです。
ぶちの種類によってさらに細かく種類が分かれますが、基本的にはこの3パターンの毛の入り方があると押さえておけばいいでしょう。
以上が主な毛色と毛色パターンの種類になりますが、これ以外にも数え切れないほどの毛色の種類がうさぎにはあり、ショップで販売されているロップイヤーの場合純潔ではなく様々な遺伝子が混じっている子がほとんどですので、「遺伝や種族的にこのパターンのこのカラーだと断言できる」という子は実は多くありません。
特にアメファジは多様な毛色を持っているのが特徴ですので、子うさぎの頃から飼育を始める場合はどのような毛色や毛のパターンに成長するか見守るのも楽しみの一つと言えそうです。
ロップイヤーの価格はいくら?
最小種のホーランドロップイヤーが平均3万円ほどで、そこから体格などが大きくなるにつれ値上がりする傾向があります。
中型犬ほどの大きさになる可能性を持っているフレンチロップイヤーが平均8万円ほどの価格のほか、毛並みが美しく人気が高いヴェルベッティンロップイヤーが平均6万円ほどの価格になります。
これらの生体価格にケージやえさ代などを含めた初期費用は、おおよそ5万円~10万円と見ておくのが無難でしょう。
犬や猫などと比べると、ロップイヤーのうさぎは比較的安値でショップから購入・飼育ができる動物となっています。
ロップイヤーの性格はおだやか
うさぎの中には、可愛らしい外見から抱くおだやかなイメージと反し、縄張り意識が強く気性の荒い性格をした子も珍しくありません。
特に野生に近い品種の子の場合、その傾向は顕著です。
それに対し、ロップイヤーはペット用に品種改良された歴史の長いうさぎですので、どちらかというと全体的におだやかな性格の子が多い傾向にあります。
ただ、アメファジなどは縄張り意識の強い子が多く、多頭飼いに向いていないという特徴があります。
ほとんどのロップイヤーが人なつっこくおだやかな性格です。
しかし、他のうさぎには厳しい態度を示す子も珍しくありません。
多頭飼いを前提として家に迎える場合は、その子の性格を事前にショップやブリーダーなどから確認しておきましょう。
中には、生まれ育った環境から後天的に人になつかない性格になってしまう子もいます。
生来おだやかな気質を持ったうさぎがロップイヤーですので、そのような子を飼育する場合、信頼を得られるよう時間をかけ接してあげてください。
また、それ以外の性格として「おだやか」であるほか、「賢い」というのも特徴として挙げられます。
個体差が出やすい部分ではありますが、平均的に見て賢い子が多くしつけがしやすいうさぎです。
特に、ヴェルベッティンロップイヤーなどは芸を覚えるくらい賢い子が多いと言われています。お迎えした際は、一芸を覚えさせてみるも楽しいかもしれません。
ロップイヤーの体重やサイズは?
種類によって体重やサイズが異なるのがロップイヤーの特徴です。
原種と言われているイングリッシュロップイヤーが約40cmのサイズに体重約4〜5kgとなっており、平均よりやや大きめのサイズ感となっています。
アメリカンファジーロップイヤーやライオンヘッドロップイヤー、ホーランドロップイヤーは小さな体格を持った子が多く、体重も約3kg、サイズも30cmほどと小柄な印象を受けます。
逆にフレンチロップイヤーは平均5kgほどになりますので、平均より大柄に育っていくでしょう。
ペットショップで扱われているロップイヤーの多くが純潔ではなくロップイヤー同士で遺伝子の混ざった子なので、予想よりも小柄だった・予想よりも大きく育ったということがありえます。
どれくらいの大きさになるかの目安として親の体格などを表記しているショップもありますので、お迎えするうさぎを決める際それらの情報を参考にするのもおすすめです。
平均的なサイズとして、30~50cm、5kg前後と認識しておくとケージのサイズなどで失敗する可能性は減らせるでしょう。
ロップイヤーの寿命はどのくらい?
ロップイヤーの寿命は、平均5~7年ほどと言われています。飼育環境によっては10年近く生きる子もいますが、逆にどれだけ手をかけてあげても短命となってしまう子もいるので一概には言えません。
またロップイヤーの場合、毛玉をお腹に溜め込んで食欲不振や便秘の原因にしてしまう「毛球症」や、手足の毛が抜けることで床などと擦れ皮膚炎を起こしてしまう「ソアホック」という病気に特にかかりやすいと言われています。
これらの病気を防ぎ健康状態を維持できるかによって寿命というのは変わってきてしまいます。
お迎えした際は、うさぎの健康のためにもこまめなブラッシングや爪切り、定期的な健康診断と清潔な環境作りなどを徹底するよう心がけましょう。
まとめ
以上がロップイヤーの紹介になります。
原種とされているイングリッシュロップイヤーのほか、ホーランドロップイヤーやアメリカンファジーロップイヤーなどペット用に品種改良を遂げ、たれ耳の愛らしい外見で魅了してくれる高い人気を持つうさぎです。
賢く人によく懐く個体が多いので、うさぎを初めて飼う人にも向いているのが特徴です。
縄張り意識が強い子もいますが、多頭飼いできる穏やかな子も多くいますので「もう一匹飼いたい」と思っている人にもおすすめできるうさぎと言えます。(2019年現在)